2.3 トラブルシューティング

ZENworksサーバのアップグレードが失敗した場合、問題を修正してZENworksアップグレードインストーラを再実行する必要があります。

  • アップグレードインストーラは、アップグレードを開始したサーバと同じサーバで再実行する必要があります。

  • パッケージアップグレード後のデータベースアクション中にアップグレードが失敗した場合、アップグレードインストーラを再実行してゾーン認証が完了すると、[アップグレード前の概要]ページが表示され、アップグレードはデータベースアクションの実行を続行します。

  • 組み込みPostgreSQLデータベースを使用している場合、アップグレードインストーラを再実行する前に、データベースフォルダから.dbRおよび.logRファイルを削除してください。

次の各セクションでは、ZENworksプライマリサーバのアップグレード時に発生する可能性がある問題の解決方法を示します。

PostgreSQLエンジンのアップグレードが失敗したため、ZENworksアップグレードが失敗する

説明: ZENworksをアップグレード中に、PostgreSQLエンジンのアップグレードが失敗した場合は、ZENworksアップグレードが失敗します。これは、アップグレードが開始される前にPostgreSQLサービスが一貫性のない状態であったために発生する可能性があります。
アクション: アップグレードログに「データベースサービスの作成(dbsvc)が失敗しました。リターンコード: 2」という例外が記録される場合、Linuxの場合は/etc/opt/novell/zenworks、Windowsの場合は%ZENWORKS_HOME%\confに存在するzen20u2_upgrade_statusファイルを開き、ファイルからPOSTGRES_ENGINE_UPGRADE = stop service行を削除します。組み込みデータベースサービスを開始してから、アップグレードを再トリガーします。

解決策は、サービス停止に障害が発生した場合にのみ実行する必要があります。ただし、この解決策は他の段階での障害には推奨されません。

Linuxプライマリサーバでアップグレードがエラーで完了する

説明: メッセージの説明。
考えられる原因: Linuxプライマリサーバでアップグレードすると、アップグレードがエラーで完了する可能性があります。ただし、これは誤ったアラームである可能性があり、アップグレードは成功する可能性があります。
トラブルシューティング: アップグレードログを開いて、次のステートメントがログに記録されているかどうかを確認します。

“![CDATA[Docker service check failed: Format specifier '%s']]. Severity is CDATA[8]]”

アップグレードログの“![CDATA[8]]”のインスタンス数を検索します。上記のステートメントとともに、インスタンスが1つしかない場合、アップグレードは成功します。ZCCにログインして、同じことを確認してください。

ZENworksエージェントとMDMエージェントの両方を備えたデバイスに更新が適用された場合、再作成システム更新はベースライン化されない

ソース: ZENworks
説明: ZENworksエージェントとMDMエージェントの両方を備えたデバイスで再作成プロセスを開始すると、証明書はZENworksエージェントに正常に適用され、ステータスは「完了」と表示されますが、MDMエージェントのステータスは「証明書アクティベーションを保留しています」状態と表示され、この状態は、MDMデバイスの登録解除クイックタスクを使用してMDMが登録解除される場合にも保持されます。したがって、再作成更新はアクティベーション時刻に達した場合でもベースライン化されません。
アクション: 更新をベースライン化するには、デバイスで再作成システム更新を無視します。

WindowsプライマリサーバでZENworks 2020へのアップグレードが失敗する

説明: WindowsプライマリサーバをZENworks 2020にアップグレードする際に、アップグレードが失敗します。
アクション: 次の手順を実行します。
  1. サーバアップグレードにすでに失敗している場合は、特権ユーザとして次のコマンドを実行します。

    icacls "%zenworks_home%\cache" /remove:d Users

  2. コマンドの実行後、ZENworks 2020 Media Upgrade (ISO)を使用してアップグレードを再試行します。

ZENworks 2020 Update 2にアップグレードした後で、MDMデバイスに一貫性のないステータスが表示される

ソース: ZENworks
説明: ZENworks 2020または2020 Update 1 (MDM専用)で登録されたMDMデバイスにZENworks 2020 Update 2を適用すると、システム更新デバイスのステータスに「更新が適用可能ではありません」と表示されます。
アクション: なし

ゾーン内のすべてのデバイスを更新した後で、MDMデバイスを無視して更新をベースライン化します。

保留中の再起動エラーにより、システム更新に失敗

ソース: ZENworks
説明: システム更新の展開中に、システムが複数回再起動されます。システムのシャットダウン後でも、システム更新が失敗し、保留中の再起動エラーが表示されます。
アクション: デバイスの更新後にデバイスを再起動することをお勧めします。最新のWindowsデバイスでは、高速スタートアップモードにより、シャットダウンと起動はデバイスの再起動とは見なされません。したがって、デバイスを再起動するか、「高速スタートアップ」モードを無効にする必要があります。

SLED 15 SP1デバイスでIOAシステム更新が失敗する

ソース: ZENworks
説明: 「zac su」コマンドを使用してSLED 15デバイスでIOAシステム更新を展開すると、システム更新が失敗する可能性があります。これは、デフォルトで、SLED 15デバイスに「at」パッケージがインストールされていない可能性があるためです。

これを検証するには、IOAユーザまたは管理者がzmd-messages.logファイルをチェックして、「Cannot run program "at": error=2, No such file or directory (プログラム「at」を実行できません: error = 2、そのようなファイルまたはディレクトリはありません)」というエラーを確認できます。

アクション: 「at」パッケージがIOAデバイスにインストールされていない場合は、zypperコマンドなどのツールを使用して「at」コマンドをインストールします。「at」コマンドをインストールした後で、zac suコマンドを再実行します。

zypperコマンドが「at」パッケージを特定できない場合は、次のRPMをインストールできます。

RPMはhttps://rpmfind.net/linux/rpm2html/search.phpからダウンロードできます。

  1. 「libHX28」を検索し、OSプラットフォームに適用可能なrpmをダウンロードします。

    例: libHX28-3.22-lp150.1.7.x86_64.rpm

  2. 「libfl2」を検索し、OSプラットフォームに適用可能なrpmをダウンロードします。

    例: libfl2-2.6.4-lp150.2.48.x86_64.rpm

  3. 「at」を検索し、OSプラットフォームに適用可能なrpmをダウンロードします。

    例: at-3.1.20-lp150.2.27.x86_64.rpm

Windowsプライマリサーバのアップグレード中にWindowsエクスプローラーが数回自動的に再起動する

説明: Windowsプライマリサーバのアップグレード中に、Windowsエクスプローラーが数回自動的に再起動し、[コマンドプロンプト]ウィンドウが起動して次のメッセージが表示されます。
For each prompt presented, press 'enter' to accept the <default> value, type 'back' to return to the previous action, or type 'quit' to exit.
アクション: このメッセージは無視してください。

ZENworksのアップグレードを起動したときにデータベースがトランザクションを実行中である場合、アップグレードプロセスと衝突する可能性がある

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: ZENworksのアップグレードを起動したときにデータベースがトランザクションを実行中である場合、アップグレードプロセスと衝突する可能性があります。
アクション: アップグレードプロセスと衝突するデータベースセッションを終了させます。データベースセッションを終了させるには、次の手順を実行します。
  1. データベースにシステムユーザとしてログインし、SQLクライアントを起動します。

  2. データベースタイプに応じて、次のいずれかのスクリプトを実行します。

    • Oracle:

      select 'ALTER SYSTEM KILL SESSION '''||SID||','||SERIAL#||''';' AS "Drop Query",b.sql_text,a.* from gv$session a, gv$sql b where (case when a.sql_id is null then a.prev_sql_id else a.sql_id end)=b.sql_id and a.program='JDBC Thin Client' and a.logon_time< (sysdate-3/60/24) and a.username='<<ZENWORKSUSER>>';

      各要素の内容は次のとおりです。

      ZENWORKSUSERは、ZENworksデータベースユーザ名です。

    • MS SQL:

      select 'KILL '+cast(spid as varchar(100)) as "Drop Query", r.text,s.* from sys.sysprocesses s cross apply sys.dm_exec_sql_text (sql_handle) r where s.program_name='jTDS' and s.spid!=@@spid and s.login_time < dateadd(minute,-3,getdate()) and s.loginame='<<ZENWORKSUSER>>';

      各要素の内容は次のとおりです。

      ZENWORKSUSERは、ZENworksデータベースユーザ名です。

    • SQL Anywhere:

      SELECT 'Drop connection '+cast(sa_conn_info.Number as varchar(100))+';' as "Drop Query", sa_conn_info.Number AS connection_number, DB_NAME( DBNumber ) AS database_name, sa_conn_info.name AS connection_name, sa_conn_info.userid, CONNECTION_PROPERTY( 'LoginTime', Number ) as "Login Time", CONNECTION_PROPERTY( 'LastStatement', Number ) As "Query" FROM sa_conn_info() where sa_conn_info.Number != @@spid and CONNECTION_PROPERTY( 'LoginTime', Number ) < dateadd(minute,-3,getdate()) and userid='<<ZENWORKSUSER>>';

      各要素の内容は次のとおりです。

      ZENWORKSUSERは、ZENworksデータベースユーザ名です。

Oracleデータベースを使用している場合、アップグレードまたはデータベース作成中にTNSエラーメッセージが表示される

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: Oracleデータベースを使用している場合、アップグレードまたはデータベース作成中に、エラーメッセージTNS:listener could not find available handler with matching protocol stack (TNS: リスナは、一致するプロトコルスタックを持つ、使用可能なハンドラを検出できませんでした)が表示されます。
アクション: PROCESSESパラメータで指定されている専用接続の最大負荷を増やします。問題が解決しない場合は、Micro Focusカスタマサポートにお問い合わせください。

MS SQLデータベースを使用している場合、アップグレードまたはデータベース作成中に接続の問題が発生する

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: MS SQLデータベースを使用している場合、アップグレードまたはデータベース作成中に接続の問題が発生し、次のエラーメッセージが表示されます。
org.hibernate.exception.JDBCConnectionException: Cannot open connection
Caused by: java.sql.SQLException: I/O Error: Connection reset
Caused by: java.net.SocketException: Connection reset
アクション: select * from sys.configurations where name='user connections'を実行します。

デフォルトの最大接続数は32,767です。これを「プライマリサーバの数 x 200」に調整できます。ユーザ接続の設定方法の詳細については、http://technet.microsoft.com/en-us/library/ms187030.aspxを参照してください。

MS SQLサーバのCPU使用率およびデータベースサーバの負荷が高くなっていないかどうかを確認します。さらに支援が必要な場合は、Micro Focusカスタマサポートにお問い合わせください。

プルーニングするインベントリレコードに対して間違った値が表示される

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: アップグレードウィザードでプルーニングを選択した場合、削除対象に指定されたレコードの数が[Pre-prune summary (プルーニング前の概要)]ページに表示されます。

たとえば、合計10,000,000レコード中8,000,000レコードをプルーニング対象としてマークした場合、number of records specified for deletion (削除対象に指定されたレコードの数)フィールドに「8,000,000/10,000,000」と表示されます。

プルーニングが正常に完了した後で、アップグレードウィザードを再度起動してプルーニングを実行しようとすると、[Database Pruning (データベースのプルーニング)]ページのTotal number of records found to be deleted (削除済みとして検出されたレコードの合計数)フィールドに間違った値が表示されます。

たとえば、10,000,000インベントリレコード中8,000,000インベントリレコードが削除された場合、Total number of records found to be deleted (削除済みとして検出されたレコードの合計数)フィールドに表示される値は200,000であるのが理想です。

現在のところ、間違った値が表示されます。そのため、削除済みのインベントリレコードに対して表示される値と、まだ削除されていないインベントリレコードに対して表示される値が一致しません。

アクション: 解決策はありません。

長い名前が付いたフォルダを削除するとエラーが発生する

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: SQL Serverデータベースを使用するZENworksゾーンで、900バイトを超える名前の付いたZENworksオブジェクト(デバイスやフォルダなど)を削除しようとすると、次のエラーが表示されます。

com.novell.zenworks.datamodel.exceptions.InternalDataModelException: org.hibernate.exception.GenericJDBCException: Operation failed. The index entry of length 912 bytes for the index 'idx_zZENObject_Name' exceeds the maximum length of 900 bytes.

アクション: ゾーン内のZENworksオブジェクト名の長さが900バイトを超えていないことを確認します。詳細については、https://technet.microsoft.com/en-us/library/ms191241%28v=sql.105%29.aspxを参照してください。

MS SQLデータベースの照合の非互換性のため、ZENworksスキーマがアップグレードに失敗する

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: MS SQLサーバとAuditデータベースの照合に互換性がない場合は、ZENworksスキーマがアップグレードに失敗します。
アクション: データベース(ZENworksとAudit)の両方に次のSQLクエリを実行して、データベースの照合に互換性があるかを確認します。
  • データベース照合を取得するためのSQLクエリ:

    SELECT collation_name FROM sys.databases WHERE name = db_name();

  • データベース列の照合を取得するためのSQLクエリ:

    select distinct collation_name from information_schema.columns where collation_name is not null;

アップグレードログとクエリ出力をMicro Focusカスタマサポートと共有して、さらに分析します。

アップグレードXMLログファイルがGoogle ChromeおよびFirefoxで正しく表示されない

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: Google ChromeおよびFirefoxでアップグレードXMLログファイルを表示しようとすると、ログファイルが正しく表示されませんでした。
アクション: ブラウザでログファイルを表示するには、次の設定アクションを実行します。

microfocus-zenworks-configure -c

ConvertLogToHTMLConfigureAction -DlogFile=<LogFilePath>

設定アクションにより、XMLログファイルがHTMLに変換され、Webブラウザでログファイルが開きます。

または、任意のテキストエディタを使用して、ログファイルを表示することもできます。

Linuxプライマリサーバでは、レガシNovellサービスが起動設定アクションに一覧表示される

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: LinuxプライマリサーバでZENworks 2020 Update 2にアップグレードした後で、次のコマンドを実行すると、次のようになります。

novell-zenworks-configure -c Start

新しいMicro Focusサービスではなく、レガシNovellサービスが一覧表示されます。サービスを開始、停止、または再起動しようとすると、例外エラーが表示されます。

アクション: Linuxサーバからログアウトし、再びログインします。新しい端末ウィンドウを開き、次のコマンドを実行します。

novell-zenworks-configure -c Start

新しいMicro Focusサービスが一覧表示されるようになります。サービスを開始、停止、または再起動できます。

ZENworksプライマリサーバのアップグレードが'Zulu Platform x64 Architecture has stopped working'エラーで失敗する

ソース: ZENworks、アップグレード
説明: ZENworks 2020またはUpdate 1 Windowsプライマリサーバを2020 Update 2にアップグレードする際に、次のエラーでアップグレードが失敗します。

Zulu Platform x64 Architecture has stopped working

考えられる原因: プログラムと競合するデータ実行防止(DEP)設定によってこのエラーが発生します。
アクション: コントロールパネル>システム>システムの詳細設定に移動して、サーバのDEPを確認します。システムのプロパティウィンドウで詳細設定をクリックし、パフォーマンスの下の設定をクリックします。パフォーマンス オプションウィンドウで、データ実行防止をクリックします。

現在の設定に注意します。選択していない場合は、重要な Windows のプログラムおよびサービスについてのみ有効にするを選択します。Windowsサーバを再起動して、ZENworksプライマリサーバのアップグレードを再試行します。問題が解決しない場合は、Micro Focusサポートにお問い合わせください。

重要: アップグレードする前に設定が変更された場合は、値を元に戻してからWindowsサーバを再起動してください。