SANからのブート用にマルチパス(MPIO)を設定する方法
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環境
Novell SUSE Linux Enterprise Server 10サポートパック1
問題の状況
SLES 10 SP1に対する最近のアップデートにより、SLES 10 SP1をマルチパスI/OでSANからブートするように設定する機能が追加されました。このドキュメントでは、この設定の実装に必要な基本手順を説明します。
解決策
前提条件:
完全にパッチを適用されたSLES 10 SP1システム。次のコンポーネントを含みます。
- カーネル2.6.16.54-0.2.5以上
- mkinitrd 1.2-106.61以上
- multipath-tools 0.4.7-34.23以上
SLES 10 SP1メディア。ブート設定の変更で通常のシステムブートが中断する場合は、これでインストールしたシステムへのアクセスを取り戻します。
手順:
- カード(HBA)を挿入します。
- MPIO(マルチパスI/O)向けにSANデバイスを準備します。
- ベンダーのツールを使用して、ストレージアレイのホストLUNのパーミッションを設定します。
- ベンダーのツールで、SANスイッチを設定し、ゾーン化します。
- HBAドライバがINITRD_MODULES(ファイル/etc/sysconfig/kernel内)にロードされていることを確認します。
- サーバがすでにMPIOなしでSANからブートされており、MPIOを可能にするために追加カードがインストールされている場合、この確認はすでに果たされています。
- 詳細については、「How to setup / use multipathing on SLES」を参照してください。
- 新しく割り当てられたLUNをサーバが認識できることを確認します。
- サーバを再起動し、HBA用のBIOSセットアップユーティリティを調べます。続行するには、HBAが新規割り当てのLUNを検出できる必要があります。この段階で検出できない場合は、boot.msgファイルをレビューして、HBAドライバがロードされているかどうか確認してください。必要な場合は、ステップ2に戻って確認します。
- それでもまだHBAのセットアップユーティリティがLUNを検出できない場合は、「TID 3955167 - SCSI(LUN)スキャンに関する問題のトラブルシューティング」を参照して、他に原因がないかどうか調べます。続行する前に、この問題を解決してください。
- MPIOサービスを再起動時に有効なまま残るように設定します。
- chkconfig multipathd on
- chkconfig boot.multipath on
- chkconfig boot.udev on
- マルチパスサービスを起動します。
- /etc/init.d/boot.multipath start
- /etc/init.d/multipathd start
- コマンドラインからmultipath -v2 -dを実行します。出力例は次のとおりです。
create: 3600a0b8000188af900002b244379cd0e IBM,1722-600
[size=40G][features=1 queue_if_no_path][hwhandler=0]
¥_ round-robin 0 [prio=3][undef]
¥_ 0:0:0:0 sda 8:0 [undef][ready]
¥_ round-robin 0 [prio=0][undef]
¥_ 1:0:0:0 sdb 8:16 [undef][ghost]
- 次に、/dev/disk/by-idで正しいブートパスを識別し、このパスを使用して/boot/grub/menu.lstと/etc/fstabのファイルでブートデバイスを識別します。注意: この情報が正しくないと、ブート時にカーネルパニックが発生します。
- それらの既存設定について、既存のmenu.lstファイルとfstabファイルを調べます。変更が必要な行について、次の例を参照してください。
- /dev/disk/by-idにディレクトリを変更して、ls -l出力を調べます。
- scsi-xxxxx-partxパスと正しいデバイスパーティションを照合します。
sda1が元のブート位置だった/boot/grub/menu.lstの変更例:
元の設定
kernel /boot/vmlinuz-2.6.16.54-0.2.3-default root=/dev/sda1 vga=0x314 resume=/dev/sda2 splash=silent showoptsを
kernel /boot/vmlinuz-2.6.16.54-0.2.3-default root=/dev/disk/by-id/scsi-3600a0b8000188af900002b244379cd0e-part1 vga=0x314 resume=/dev/disk/by-id/scsi-3600a0b8000188af900002b244379cd0e-part2 splash=silent showoptsに変更
sda1が元のブート位置だった/etc/fstabの変更例:
元の設定
/dev/sda1 / reiserfs acl,user_xattr 1 1を
/dev/disk/by-id/scsi-3600a0b8000188af900002b244379cd0e-part1 / reiserfs acl,user_xattr 1 1に変更
- ブートとルートの両方のファイルシステムがSAN上にあるので、内部RAMディスクを再生成してMPIOサポートを組み込むようする必要があります。
mkinitrd -f mpath
- ソフトウェアRAIDまたはLVMを使用する場合は、対応する環境設定ファイルも変更する必要があります。『SLES 10 Storage and Administration Guide』のセクション5.4.4「Configuring mdadm.conf and lvm.conf to Scan Devices by UUID」を参照してください。
- サーバを再起動します。
- 「multipath -ll」の実行によって設定をチェックします。
追加情報
「SANからのMPIOブート」の実装上の問題についてNovell Technical Supportに問い合わせる前に、「supportconfig」をダウンロードし、その出力を提供できるようにしてください。
参考リンク:
How to setup / use multipathing on SLES
TID 3231766 - SLESマルチパス機能(MPIO)に関する問題のトラブルシューティング
SLES 10 Storage and Administration Guide
TID 3955167 - SCSI(LUN)スキャンに関する問題のトラブルシューティング
TID 3864925 - ブートに関する一般的な問題のトラブルシューティング
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- ドキュメントID: 3594167
- 作成年月日: 03-APR-2008
- 修正年月日: 24-DEC-2008
- ドキュメントリビジョン:
- 分類:
- 対象NOVELL製品およびバージョン: SUSE Linux Enterprise Server
- カテゴリ: