SLESのリモートシリアルコンソールの設定
This document (3456486) is provided subject to the disclaimer at the end of this document.
環境
Novell SUSE Linux Enterprise Server 10
Novell SUSE Linux Enterprise Server 9
Novell SUSE Linux Enterprise Server 8
Novell SUSE Linux Enterprise Desktop 10
Novell Linux Desktop
Novell SUSE Linux Openexchange Server 4.1
Novell SUSE Linux Standard Server 8
シリアルコンソール
リモート管理
問題の状況
目的
カーネルクラッシュダンプの手動でのトリガなどのために、シリアル接続を使用してシステムへのアクセスを設定します。
解決策
前提条件
- データ端末またはMicrosoft Windowsシステムなどではなく、サーバのシリアルコンソールとして動作する別のLinuxを設定する必要がある。
- 両方のシステムで、最初のシリアルポート(DOSの用語では「COM1」)にヌルモデムケーブルが接続されている。
- サーバはGRUBを使用して起動される。
- 接続ではボーレート115200、8データビット、1ストップビット、奇数パリティ(「115200 8N1」)を使用する。
設定手順
-
コンソールとして動作するシステムとサーバ間にヌルモデムケーブルを接続します。ピンマッピングなどのヌルモデムの詳細については、Wikipediaの記事を参照してください。
- サーバのBIOSでシリアルコンソールがサポートされている場合は、BIOSをそのように設定してください。この手順の詳細はBIOSベンダー固有です。ベンダーのマニュアルを参照してください。
- サーバのGRUBを最初のシリアルポートを使用するように設定します。/boot/grub/menu.lstファイルで、
colorおよびgfxmenu行をコメントアウトして、次の行を追加します。
serial --unit=0 --speed=115200
terminal --timeout=15 serial console
- サーバのカーネル(およびハイパーバイザ)をシリアルポートを使用するように設定します。この設定は、XenセットアップとXen以外のセットアップでは異なります。
Xen以外のセットアップ
/boot/grub/menu.lstファイルで、次のオプションをカーネルコマンドラインに追加します。
console=tty0 console=ttyS0,115200
カーネルメッセージがtty0とttyS0の両方に書き込まれますが、OSメッセージはttyS0にのみ書き込まれます。OSメッセージはブートオプション行に定義された最後のコンソールに移動します。
以下は、これらの変更を示す/boot/grub/menu.lstのサンプルファイルです。
Xenのセットアップ#color white/blue black/light-gray
default 0
timeout 8
#gfxmenu (hd0,1)/boot/message
serial --unit=0 --speed=115200
terminal --timeout=15 serial console
title Linux ! SERIAL CONSOLE !
kernel (hd0,1)/boot/vmlinuz root=/dev/sda3 selinux=0 splash=0 resume=/dev/sda1 showopts elevator=cfq vga=791 console=tty0 console=ttyS0,115200
initrd (hd0,1)/boot/initrd
Xen仮想化を使用する場合、XenハイパーバイザとDom0カーネルの両方について、シリアル接続を使用するように指定する必要があります。
- console=vga,com1 com1=115200をハイパーバイザのパラメータに追加します。
- console=tty0 console=xvc0,115200をDom0カーネルのパラメータに追加します。
以下は、これらの変更を示す/boot/grub/menu.lstのサンプルファイルです。
#color white/blue black/light-gray
default 0
timeout 8
#gfxmenu (hd1,0)/boot/message
serial --unit=0 --speed=115200
terminal --timeout=15 serial console
title Linux - Xen ! SERIAL CONSOLE !
kernel (hd0,1)/boot/xen.gz console=vga,com1 com1=115200
module (hd0,1)/boot/vmlinuz root=/dev/sda3 console=tty0 console=xvc0,115200
module (hd0,1)/boot/initrd
-
シリアル接続でログインできるようにサーバを設定します。/etc/inittabファイルで、次の行を追加します。
S0:12345:respawn:/sbin/agetty -L 115200 console vt102シリアル接続を使用してシングルユーザモードを有効にするには、さらに次の行
~~:S:respawn:/sbin/sulogin(/etc/inittab内)を次のように変更します。
~~:S:respawn:/sbin/sulogin /dev/console注意: シングルユーザモードはこのオプションではシリアルコンソールでのみ動作します。ローカルコンソールで実行するには、元に戻す必要があります。
- サーバのシリアルポートをセキュアポートとして設定し、通常のユーザとして先にログインしなくてもルートとしてログインできるようにします。
行
consoleを/etc/securettyファイルに追加します。
ttyS0
xvc0
- パッケージscreenがサーバにインストールされていることを確認してください。これはコントロールシーケンスの送信に後で使用されます。
シリアルコンソールを使用したカーネルクラッシュダンプのトリガ
シリアルコンソール接続を使用して、カーネルクラッシュダンプのトリガを含む、サーバの「マジックSysRq」コントロールを実行できます。これは、システムのキーボードによる「マジックSysRq」が機能しない場合、システムハングの分析に特に役立ちます。
- サーバにカーネルクラッシュダンプキャプチャを設定します。詳細は、該当するTIDを参照してください。
- 「TID 3374462 - カーネルコアダンプキャプチャの設定」、SLE 10のKdumpメソッドについてのドキュメント。
- 「TID 3044267 - lkcdを設定してカーネルコアダンプをキャプチャする」、SLES9および関連製品で以前使用されていたlkcdutilsメソッドについてのドキュメント。
- シリアルコンソールシステムでminicomなどのシリアルプログラムを使用して、シリアルポート経由でサーバに接続します。
シリアルコンソールシステムのルートとしてシステムにログインし、次のコマンドを実行します。
screen -S console /dev/ttyS0 115200
これで画面セッションが最初のシリアルポートに接続されます。このセッションを使用するには、次の操作を実行します。
- ネットワークの任意のマシンから、シリアルコンソールシステムにルートとしてログインします。
-
次のコマンドを実行します。
screen -x -r console - SUSEホストの再起動時に、GRUBから「続行するにはどれかキーを押してください」というプロンプトが表示されます。キーを押すと、使用されるデバイスにGRUBメニューが表示されます。キーが押されない場合、GRUBメニューは/boot/grub/menu.lstファイルのterminalオプションで定義されたシリアルコンソール画面に表示されます。
- screenコマンドによって、複数のユーザが同時に画面に接続し、制御できます。これにより、複数のユーザが必要に応じてトラブルシューティングプロセスに参加できます。
- カーネルクラッシュダンプをトリガするには、次の操作を実行します。
Xen以外のセットアップ
シリアルポートにブレークを送信してから、マジックSysRqキーを送信します。たとえば、Ctrl-A、Ctrl-B、dです。その他のコマンドについては、screenのマニュアルページを参照してください。
Xenのセットアップ
Xenハイパーバイザでは、マジックSysRqキーはCtrl-Oです。Ctrl-O、dを送信して、クラッシュダンプをトリガします。
追加情報
関連資料
- Glen Turner、Mark F. Komarinski、「Remote Serial Console HOWTO」
- Brian Jones、「SysAdmin to SysAdmin: The beauty of screen」
- Phil Hollenback、「Using screen for remote interaction」
TID履歴
旧TID番号:10098503
Disclaimer
この情報は、米国Novell, Inc.およびノベル株式会社の内外から発生したものです。本文書の内容または本文書を使用した結果について、いかなる保証、表明または約束も行っていません。また、本文書の商品性、および特定目的への適合性について、いかなる黙示の保証も否認し、排除します。
本文書に記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商品、商標または登録商標です。
- ドキュメントID: 3456486
- 作成年月日: 31-JAN-2007
- 修正年月日: 24-DEC-2008
- ドキュメントリビジョン:
- 分類:
- 対象NOVELL製品およびバージョン: Open Enterprise Server, SUSE Linux Enterprise Desktop, SUSE Linux Enterprise Server
- カテゴリ: